くらしの記憶INTERVIEW

外と内を繋ぐ場所

緩やかに気持ちが解放できる埼玉寄居と東京大森の二拠点暮らし

尾形慎哉(株式会社グラグリッド 専務取締役、共創型ローカルプロジェクトセンターrutsubo)

埼玉県寄居町。秩父の山間から流れる荒川の広々とした浅瀬が広がる玉淀河原を歩くと、仕事モードで知らないうちに固縮してしまっていた心と体の状態が、自然と緩やかに気持ちが解放され、自分に向き合える内省モードに切り替わっていることに気づきます。

そのような環境の中に、私の仕事とプライベートの拠点である「実験スナックrutsubo」があります。

これは、偶然の機会に恵まれてはじまったプロジェクトの拠点。

私が二拠点居住の地として寄居町で拠点を探していたときに、地元の方からこの「店舗付き住居」をタイミングよく紹介いただいたことがきっかけ。

物件は前オーナーのおかげで改装など一切することなく、店を営業することができる状態だったため、店舗経営の経験はなかった私ですが、週末だけ、週替りのママ/マスターがカウンターに立って、地元内外の人とつながりが持てる場としてプロジェクト化しました。

一方で、もう一つの拠点は東京都大田区の大森ロッヂにある、昭和の古家をリノベーションされた「笑門の家」。

住宅の外と中をつなぐ緑、そして家の一部を半外部化しているガラスに囲われた特徴を持つこの家は、家の前を通る大森ロッヂの人々との緩やかなコミュニケーションを生んでいます。

 

こちらでは、大田区のオープンファクトリーという工場の祭典をコンセプトとしている活動にも参加していて地域とつながる取り組みも行っています。

寄居も大森も、各拠点やそこでの活動が地域とつながるバウンダリーオブジェクト(異なる組織や専門領域など、自分と他者の境界を越えて行動や相互作用を創発する媒介)としての役割をいかに担えるかの社会実験とも言えるのですが、その中で自分たちの暮らしを日々楽しんでいます。